カレッジダイアリー

卒業年度、授業はより実践へと向かっていく。 今回は第二学科2年生の授業の様子をご紹介いたします。第二学科2年生の授業は講義、表現ゼミ、演習ゼミと大きく3つに分けられています。講義は知識と教養を、表現ゼミは思考と表現方法を、演習ゼミは技術を、という具合に写真をやっていく上で不可欠な知識や能力、技術をそれぞれ身につけるための授業が行われます。今回ご紹介するのは演習ゼミの中の一つ、吉岡英太郎先生が担当するスタジオのゼミです。 吉岡先生は恵比寿でアヴェニューAというフォトスタジオを運営されており、フォトグラファーとして第一線で活躍されている先生です。吉岡先生についてはこちらのページをご参照ください→http://www.tcp.ac.jp/?page_id=3811 普段は学校のスタジオで授業を行うのですが、この日は吉岡先生の仕事場で授業です。日頃から実際の仕事で使われているスタジオは色々な工夫がされています。そしてその一つ一つには意味があり、吉岡先生は学生にそれを肌で感じさせるためにこうしてご自身のスタジオで授業をされる事が年に数回あります。   まず、被写体をどのように置くか、水平、垂直をとり、カメラに対して被写体の正面を向かせるという事が如何に難しい事かという話から授業はスタート。 そのことを踏まえ、スタジオに設置してあるレーザー水準器、鏡などを用いて、被写体となる商品の置き方を勉強していきます。   レンズの中心に被写体を配置出来るように吉岡先生は自作でレンズにレーザーを取り付けています。   台の上に置かれているのはカラーチャート。色を正確に表現するために欠かせないものです。   学生達はしっかりとメモをとっていました。   学生の持って来たスカーフを撮影してみます。まずはしっかりと被写体を見る事から。   カメラとパソコン、その他2台のモニターがライブビューモードで連動しており、リアルタイムで撮影データの確認が出来るようになっています。   休憩時間には吉岡先生が実際に撮影した広告写真を見ながら、当時の撮影状況などのお話を伺いました。   授業後半は切り抜き用の商品撮影実習を行いました。撮影後、パソコン上で商品だけを切り抜くために透明のアクリルの上にものを載せます。カメラや三脚にも色々な装置がくっついています。これら一つ一つはより正確に被写体を撮影するために吉岡先生がほぼ自作されたものです。   周りを囲っているのは、光を拡散させて柔らかい光源にするためです。   実際に機材に触れ、あとは実践あるのみ!     吉岡先生のスタジオには、撮影を円滑に進めるための自作設備や、実践的な工夫がなされている箇所がたくさんありました。 仕事の現場ではクライアントに様々な要求をされたり、想定外の事態がしばしば起こります。これらを一つ一つ解決していった結果がこういった設備や工夫に現れています。 撮影の技術だけではなく、問題に直面したときに自分で解決していく力が大切なのだと学生達は感じたのではないでしょうか。  ...

今回は基礎演習の模様をお伝えします。新入生にとって三回目の授業です。 先日、基礎演習では被写界深度について学ぶために同級生を前後に並べて、絞りの違いによってピントが合って見える範囲がどのように変わるのかという撮影を実際にやってみました。   以下、学生が撮影していた写真です。 シャッタースピード 1/4000   絞り F2 1/2 絞り開放です。後ろはぼけています。   シャッタースピード 1/125   絞り F11 1/2 F11 1/2 まで絞り込むと後ろまでピントがあっています。   「被写界深度とは?」 ちょっと難しい用語ですが、ざっくり説明しますと被写界深度とは、ピントを合わせた部分の前後のピントが合っているように見える範囲のことです。   一般的に被写界深度には以下の性質があります。 ①絞りの数字が大きくなればなるほど被写界深度は深くなります。 ②広角レンズの方が望遠レンズより被写界深度が深くなります。 ③被写体までの距離が遠いほど被写界深度は深くなります。   厳密に言うと、ピントは一点にしか合わず、それ以外のところはぼけているのですが、ピントを合わせた位置の前後、ある範囲内ではぼけの量が小さく、事実上ピントが合っているとすることができます。 その事実上ピントが合っているとすることができるぼけの大きさのことを許容錯乱円といいます。 ぼけが許容錯乱円より小さくなる様な像面側の範囲のことを焦点深度と呼び、焦点深度内の像を作る被写体側の範囲を被写界深度と呼びます。 被写界深度について正しく理解することは写真を学ぶ人間にとっては必須条件です。 このように、基礎演習では一連の写真制作プロセスの中にどのような技術事項があるかを確認し、それを意図を持ってコントロールする技術を学びます。...

前回に引き続き、今回もクラス実習の模様をお伝えします。 ギャラリーへ写真を見に行こう。 自分の写真を考えていく上で、展示を見に行くという事はとても重要な事です。写真家達が何を考えて写真を撮り、それをどのように見る側に伝えるか。写真家は写真のセレクト、プリントする大きさ、展示の方法、並べる順番など様々な事を考慮し、展示を完成させていきます。そのような表現の場に実際に赴き、展示を見る事は学生達にとって良い勉強になります。ギャラリーへ行ってただ写真を眺めるのではなく、時には写真家の視点、そしてまたある時は批評家の視点で展覧会をみる訓練を繰り返す事で、自分の写真をより客観的に見る事ができるようになります。     出発前、学内ギャラリーにて、髙橋先生から注意事項と今日訪れるギャラリーの説明がありました。ギャラリーに行く事自体が初めての学生もいるので、本当に基本的な事から話していきます。     恵比寿にあるlimArt POSTにやってきました。本校研究科の卒業生、富谷昌子さんの「津軽」展です。       自然光の入るきれいなギャラリーです。     作家の富谷さんが在廊されていました。     作家本人から作品について説明していただきました。     limArt POSTにはギャラリースペースと共に写真集がたくさん販売されているスペースもあります。それらの写真集を見ながら写真について学生と話します。     limArtのオーナー中島さんが特別に貴重な写真集を見せてくれました。 中島さん、ありがとうございました。   このようにクラス実習は学内に留まらず、外で授業をする事もあります。今、活躍している作家の生の声を聞き、最新の写真集に触れる。その事を通じて社会が求めている写真を知り、自分が追い求める写真のヒントを得る事ができるかもしれません。こういった校外での実習も大切なフィールドワークです。  ...

いよいよ本格的に授業がはじまりました。クラス実習の最初の課題は「セルフポートレート」です。 クラス実習は自分の写真について考える授業。まずは自分で自分自身を撮ってみる「セルフポートレート」を撮る課題からスタートしました。自分で自分を撮る事で知っているようで知らない自分が写真を通してみえてくるかも? 今回は、4/23日のクラス実習の模様を報告します。   まずは自分で写真を並べてみます。     全体を見わたす高橋先生。     写真をセレクトして並べ替えていきます。     奥で本校創立者の重森先生が見守っています。     セレクトして並び替えます。こうすることで写真の見え方が全然ちがってきます。     一人一人の写真に講評、お互いの写真を検討します。   高橋先生の話 「セルフポートレート」は、文字どおり「自分自身の写真」を撮ることです。色々な場面で自分の顔を入れていわゆる「自撮り」する「セルフィ」も広義には「セルフポートレート」と言えます。 クラス実習は、「自分の写真」を考える授業なので、その始めにあたりまさに自分自身をモチーフにした課題を出してみました。 どうやって自分を撮影するか?自撮りするか、鏡に映った自分を撮るか、三脚に固定しセルフタイマーで撮影するか、あるいは誰かに自分を撮影してもらうか、まずは撮影の方法から考えることで「写真を撮る」ということ自体を考える。 最も身近な被写体である自分自身がモチーフになることで、より「客観的」に写真を見る事ができる。 実際の被写体と写真に写った被写体とのギャップを体験し、そして「思った通りに撮影する」ことの難しさを知る。 10枚の写真をまとめることの難しさを知る。 などなど、写真表現の入り口に立つ時に考えて欲しいことを少しでも体験する、ということがこの課題の「狙い」です。今回の課題はなかなかの力作揃いで、写真学校ならではの自己紹介となり、私自身も楽しめた授業になりました。 森村泰昌、シンディ・シャーマン、リー・フリードランダー。澤田知子など、多くの写真家が「セルフポートレート」というコンセプトで作品を作っています。 図書室で授業をすることで、そういった写真家の写真集を見ながらの授業ができて、より充実した時間になった気がします。 次の課題は「1つのルールで10枚の写真を撮る」。ちょっとつかみ所のない課題ですが、学生諸君がどんな「答え」を出してくれるか、とても楽しみです。 クラス実習は、このような課題を通して、写真のリテラシーを高めて、「自分と写真との関わり」を改めて考えて行く授業になればと思っています。              ...

4/10第一学科、第一学科Basic1年のプレクラス実習として、横浜の野毛と野毛山動物公園へ撮影実習に出かけました。   プレ授業は新入生のガイダンスの一環として行われています。 クラス実習はいわば「自分の写真」について考える授業、プレ授業とはいえそれぞれが「自分の写真」について考えながら、野毛の町から動物園へと撮影して行きました。   当日は好天に恵まれ絶好の撮影日和でした。       日吉の駅から野毛の最寄り駅桜木町へ電車で移動、移動中も撮影。     野毛の町は横浜でもレトロ感漂う「昭和」な街。早速路地へ入って撮影開始。 [slider id='4766' name='noge01']   野毛は古くからの「飲み屋」街、フォトジェニックな風景に沢山出会えます。 みんなそれぞれに、「自分」だけの被写体を求め歩きます。 [slider id='4775' name='noge02']   桜はだいぶ散っていましたが、散った桜が水辺に浮かびきれいでした。 [slider id='4786' name='noge03']   坂道を登って野毛山山頂の動物公園へ移動 [slider id='4790' name='noge04']   動物公園で、まずは「腹ごしらえ」、その後、それぞれ撮影に散ってゆきます。 [slider id='4796' name='noge05']   撮影終了、一日撮影して少々疲れ気味かな   今日の宿題は撮影データを「バックアップ」すること、とにかくデータのバックアップは重要です!   いよいよ週明けから、正規の授業が始まります。 初回の「クラス実習」は今日撮影した写真を整理してプレゼンテーションする実習。 いったいどんな「傑作」が撮れたのか、また次の機会にお伝えしますのでお楽しみに。        ...

4月7日、2014年度入学式が本校にて執り行われました。   今年度も新入生を迎えることができました。 新入生にとっては、入学式がいわば写真家としてのスタート。 そんな晴れの日の模様をお伝えします。       本年度入学式は本校401教室にて行われました。 理事長 金子隆一の式辞 学校長 伊奈英次の式辞 第一学科 1年 第一学科Basic 1年 クラス実習担当 高橋和海先生の挨拶 第二学科1年クラス実習担当 吉田友彦先生の挨拶 校友会会長 林憲治氏の挨拶 . 式の後、参加者全員で集合写真を撮りました。 その写真は近々お見せします。お楽しみに。 今週は、ガイダンス、健康診断そしてプレ授業と続き、 そして、来週から本格的に授業が始まります。 写真界の大海原に漕ぎ出す、新入生、彼らがどんな写真家に育っていくのかご期待ください。  ...

3月21日 2013年度卒業式が執り行われました。   当日は、卒業生に加え、多くの先生方にもご臨席を賜り盛大な式となりました。 その模様を報告します。   会場は、重森弘淹先生とも関係が深い日比谷 松本楼。 本校の卒業式は形式的なセレモニーだけでなく卒業生も先生方も親しく交流ができるように立食パーティで行われます。    辛亥革命で知られる孫文ともゆかりの深い歴史ある松本楼       理事長 金子隆一の式辞 金子理事長からは「卒業してからも、いつでも学校に相談に来て欲しい」とのあたたかい言葉をいただきました。     校長 伊奈英次の式辞 校長からは「君たちは何度もつまづく。でもその度に立ち直る強さを持っている」という言葉をいただきました。 これは「ドラえもん」の言葉だそうです。     卒業生総代 齋藤ちふみさんの答辞   齋藤さんからは、「写真を通して、多彩な技術や知識を学ぶと同時に、その知識や技術を結びつけることで新しい世界をしることができた。」「学科や学年を超えて学生同士が交流でき、また色々な年齢の在学生が集う刺激的な学校でした」という答辞をいただきました。   卒業証書授与       講師を代表して和田正昭先生からの祝辞   和田先生からは「写真をめぐる技術革新のスピードは大変早くなっています、皆さんはそれに対応することが必要です。しかしこの学校で学んだことはゆらぎません。それを元に、それに負けずに頑張ってください。」という言葉をいただきました。     そして立食パーティ [slider id='4634' name='sotugyousiki']     卒業式終了後も記念撮影が続きました。   卒業生諸君の活躍を心よりお祈りして、お祝いの言葉とします!  ...

2013年度 卒業制作展及び研究科展が開催されました。 本年度は、目黒区美術館区民ギャラリーとニコンサロンbis新宿での選抜展の2会場で開催されました。 卒業制作展は、学生たちが2年、3年間の集大成を披露する晴れの舞台、その模様を紹介いたします。   まずは卒業制作展及び研究科展。 目黒区美術館区民ギャラリーにおいて2月26日より3月2日まで開催されました。   目黒区美術館での搬入の様子 [slider id='4516' name='sotusen meguro hannyu']   展示は作品のコンセプトを伝える大切なファクターです。展示する高さ一つで全く見え方が変わってしまします。 だから、展示は、作品の最終の「仕上げ」として最も重要なこと。 今回も搬入作業は1日がかり、後輩諸君も手伝いにきてくれました。   それぞれの作品の前で [slider id='4524' name='sotuten meguro sakuhin']     ニコンサロンbis新宿での卒業選抜展 卒業制作選抜展は、卒業制作のなかで特に優秀だった学生が選抜され、 3月15日から17日まで、ニコンサロンbis新宿で開催されました。   搬入の模様 [slider id='4600' name='sotuten nikon01']   会場風景 [slider id='4604' name='sotuten nikon02']   それぞれの作品の前で [slider id='4609' name='sotuten nikon03']   卒業制作展は、在学中の成果を披露する場であると同時に、 これから写真界に旅立つ出発点でもあります。 今後の彼らの活躍に注目してください。    ...

  11月22日金曜日 第二学科1年生の合評演習がありました。   講評週間最後は先週金曜日に行われた第二学科1年生の合評です。講評してくださったのは川崎市市民ミュージアム学芸員で本校講師の深川雅文先生、写真家で本校講師の金村修先生、本校校長の伊奈先生です。       川崎市市民ミュージアムは日本で最初に写真専門部門を設置した美術館、深川先生はそこで多くの展覧会の企画、運営にあたってこられました。また、写真評論家としての著述も数多くあります。     金村先生は、日本写真家協会新人賞、土門拳賞を受賞した気鋭の写真家、本校では「金村ゼミ」及び「研究科」を担当されています。     学生にとっては今回が2度目の合評になります、第一回目の合評をふまえ、しっかりと方向性を見つめて仕上げた学生の作品は、現役で活躍する先生方にどう映ったのでしょうか。      次の教室へ移動します。 今回は、作品が皆なかなかのボリューム、机上に展示した作品も多く、いくつかの教室を使っての講評となりました。    今回の合評は写真のセレクトや展示方法で甘いところもありましたが、全体的には、レベルの高い写真が揃っていました。 この後、修了制作に向け、学生諸君がどんな作品を作ってくれるのか楽しみです。 ...

11月20日、この日は午前中に第一学科、第一学科Basic1年、午後から2年生の合評演習が行われました。 午前中の1年生に続き午後からは2年生の合評です。 講評をして頂くのは、研究科で講師をされている写真家の田口芳正先生、午前中に引き続き伊奈校長です。   田口先生は、創立者で写真批評家として活躍していた故重森弘淹先生とも渡り合ったという伝説もあり、つねに厳しい批評で知られる人物。 2年生になり、それぞれの作品のテーマ性や方向性も含めて、総合的な評価が求められます。 1年生に対してどれだけレベルの高い作品が見せられるのか、1年生も参加しての講評となります。 第一学科Basicの学生にとってはこれが最後の合評です、2年間の集大成である卒業制作にむけて、自らの作品を顧みる機会となったことでしょう。また、第二学科2年生にとっては、修了制作や3年次のゼミ選択など、自分の写真と自分との関わりをより深く考える契機となったはず。 本校では、合評を通し、授業に関わる先生とは異なる視点で客観的な講評を受ける事で、何度も自分と写真との関わりを考え行きます。 「表現とは表現者の批評行為であり、それなくして表現は存在しない」創立者重森弘淹先生のこの理念のもと、常に「批評性」をもった写真家の育成に努めています、合評はこの理念を最も体現した授業なのです。...