“失われた棗椰子” 伊奈英次 / “Palmyra which is lost” Eiji Ina
伊奈英次校長の写真展が開催されます。 ぜひ、ご高覧ください。 "失われた棗椰子" 伊奈英次 / "Palmyra which is lost" Eiji Ina 会期: 11月10日(木)-11月27日(日) [木金土日のみ開場] 時間: 14:00-19:00 場所: art & river bank 25年前のダマスカスを中心にその周辺やパルミラ遺跡を撮影したカラー、モノクロ・プリント、約20点を中心とした展示。Palmyraはシリアの古代都市の名前で、棗椰子(ラテン語のPalma)が有名だったのでそう名付けられたといわれている。慈しみの雨を降らせる古代の豊穣神バアル・ゼブルを祀るバアル神殿が有名だが、現在、イスラム国の占拠により破壊の危機にさらされている。もっとも、バアル・セブル自身は、すでに旧約聖書でバアル・ゼブブ(蠅の王)と、邪神に貶められている。また、イスラム国の行為は蛮行として非難されるが、近くではタリバーンによるバーミヤン渓谷の仏像の破壊、ドイツの旧共和国神殿の解体などがあり、遡れば日本の廃仏毀釈など、歴史的なモニュメントの破壊行為それ自体は人類史上珍しいことではない。伊奈英次が同地を訪れる機会を得たのは、ZEIT-PHOTO SALON主宰の故石原悦郎の支援によるものだったという。失われたものを記録するという写真というメディアの特性を背景に、記憶の消去、人の喪失、そして物理的な破壊について思いを巡らせてみよう。...