校長メッセージ

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ともに写真の無限の可能性を探る

皆さんはなぜ写真に興味を持たれたのでしょう。

写真が発明されて170年あまり、現代文明にとって映像の役割には限りがありません。映像技術のなかで最もプリミティブな原理である写真は、光を使って映像のある瞬間を固定することができます。

人間が光を使ってみることができるものの大きさの限度は10のマイナス7乗メートルといわれています。これはウイルスよりも小さい程の世界。一方、 銀河系の大きさが10のプラス26乗メートルとすれば、実に33桁のゼロが続くあいだに広がる世界の領域を、光や他の電磁波で捉えることができるのです。

これらの領域を対象にし得る「写真」という近代科学が生み出したメディアは、まだまだ無限の可能性を秘めています。

東京綜合写真専門学校は、この無限の可能性を秘めている領域を、実に個性的な写真家や評論家などから学ぶことができるカリキュラムを50年間にわたり学生に提供し続けてきました。

写真界で「ヒヨシ」といえば東京綜合写真専門学校のことを指します。それは本学が写真界に多くの人材を輩出してきたからにほかなりません。

ドキュメンタリー、広告、ネイチャー、スポーツ、アートなど、卒業生の方たちの社会での活躍は輝かしい実績の宝庫です。なかでも写真表現の領域においては、国内外での写真集の出版や美術館での展覧会、パーマネントコレクション(美術館で永久保存を目的にしたアーカイブ)、そして数々の写真賞の獲得など、先輩たちの社会的評価は不動の地位を占めています。

これはひとえに、創立者重森弘淹氏の独創的な教育精神に根ざしています。

自らの写真作品を撮影する地道な実践能力の育成、映像の意味の分析や批評、社会に向かって発信していくためのプレゼンテーション、それらの相互の関連性を見極めて綜合力を結集し発表に結実して行く実現力は、現在も連綿と各講師に受け継がれています。

また学生期間での作品制作や多様な講義を通した指導がもたらす技術や経験、そして知識は、その後、創造のダイナミズムの発露となり、社会での多種多 様なクライアントの厳しい要求に応えることができる素地を養い、常に広い視野で考える能力を獲得します。それらは困難な時代に要請される、社会を生き抜く真の力にもなります。

このきわめて個性的な特色を持つ本校で学び、写真や映像メディアの未来の世界に羽ばたく希望を一緒に作り上げていこうではありませんか。

東京綜合写真専門学校 校長 伊奈英次

伊奈英次

22期生 1981年卒/研究科24期生 1983年卒

1957年生まれ。1981年東京綜合写真専門学校写真芸術科卒業

1983年同研究科卒業。

1981年より大型カメラでの制作発表を開始。東京の景観を撮った「In Tokyo」で注目され、以後「人口楽園」「WASTE」等を発表。

1998年レオポルドゴドウィスキーJr.カラー写真賞受賞

収蔵作品はパリ国立図書館、川崎市市民ミュージアム等

1989年より講師として『クラス実習』を担当

2012年より東京綜合写真専門学校の校長を務める

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